【第2回】家族信託と遺言・成年後見制度の違いとは?どれを選ぶべきかを徹底比較

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※この記事は【家族信託シリーズ 全10回】の第2回です。
相続・老後・財産管理を考えるうえで重要な3つの制度「家族信託」「遺言」「成年後見制度」について、わかりやすく比較・解説します。

【家族信託シリーズ 全10回】タイトル一覧

  1.【第1回】家族信託とは?相続や認知症対策に有効な理由をわかりやすく解説!

  2.【第2回】家族信託と遺言・成年後見制度の違いとは?どれを選ぶべきかを徹底比較

  3.【第3回】認知症になる前に!家族信託が必要な5つのケースとそのリスク

  4.【第4回】実家の相続トラブルを防ぐ!不動産に活用できる家族信託の仕組み

  5.【第5回】失敗しない家族信託契約!知っておきたい作成の流れと費用

  6.【第6回】家族信託の税金はどうなる?相続税・贈与税・固定資産税の基本知識

  7.【第7回】家族信託と相続トラブル防止:もめないための実例とポイント解説

  8.【第8回】親の介護とお金の管理に強い味方!生活資金を守る家族信託活用法

  9.【第9回】家族信託の落とし穴とは?失敗例から学ぶ注意点と対策

  10.【第10回】家族信託×遺言×後見制度の組み合わせ活用術!将来不安ゼロの備え方






はじめに:3つの制度、違いを知っていますか?

相続や老後の不安を解決するための制度には、主に以下の3つがあります。

  • ✅ 家族信託(かぞくしんたく)

  • ✅ 遺言(ゆいごん)

  • ✅ 成年後見制度(せいねんこうけんせいど)

名前は聞いたことがあっても、「どう違うの?」「どれを使えばいいの?」と迷う人が多いのが現実です。

この回では、それぞれの役割と特徴、メリット・デメリットをやさしく解説しながら、どの制度を選ぶべきかを一緒に考えていきましょう。




1. それぞれの制度のざっくり比較


まずは、3つの制度をざっくり比較した表をご覧ください。

制度名

目的

いつ使う?

誰が決める?

管理できる内容

必要な手続き

家族信託

認知症対策・相続対策

生前から

本人が契約

不動産・預金など

信託契約・登記

遺言

死後の財産の分け方

死後に効力発生

本人が作成

遺産の分割方法

遺言書の作成(公正証書が安心)

成年後見制度

認知症・障がい時のサポート

判断能力がなくなった後

家庭裁判所が選任

日常生活・財産管理

裁判所の申し立て



2. 家族信託とは?(復習)


前回(第1回)で解説したとおり、家族信託は以下のような仕組みです。

財産を持っている人(委託者)が、信頼できる家族(受託者)に管理を任せ、自分や他の家族(受益者)のために財産を使ってもらう制度。

✅ポイント

  • 生前からスタートできる

  • 認知症になっても財産凍結を防げる

  • 死後の財産の承継方法も柔軟に決められる



3. 遺言とは?


遺言は、「自分が亡くなった後、財産をどう分けてほしいか」を伝える文書です。

遺言の種類

 1.自筆証書遺言:自分で手書きで作る遺言(法務局で保管可能)

 2.公正証書遺言:公証人が作成。最も安全で法的にも確実。



✅遺言のメリット


  • 自分の意志を明確に残せる

  • 相続トラブルを防ぐ

  • 公正証書なら信頼性が高い



❌遺言のデメリット


  • 生前の財産管理はできない

  • 認知症になると作れない

  • 書き方を間違えると無効になる可能性あり



4. 成年後見制度とは?


成年後見制度は、認知症や障がいなどで判断能力がなくなった人の代わりに、家庭裁判所が選んだ「後見人」が生活や財産をサポートする制度です。




✅成年後見制度のメリット


  • 判断能力がない人でも法律的なサポートを受けられる

  • 家族が後見人になれる(任意後見の場合)

  • 不正を防ぐため、家庭裁判所が監督する



❌成年後見制度のデメリット


  • 家庭裁判所の手続きが煩雑

  • 報酬がかかる(月1~2万円のケースも)

  • いったん開始すると、途中でやめられない

  • 本人の意思が尊重されづらい



5. 実例で比較!それぞれの制度はどんなときに使う?

事例①:親が認知症になったときに備えたい


Aさん(65歳)はこう考えています:

「将来、私が認知症になっても、息子に財産管理を任せて生活に困らないようにしたい」

制度

対応できるか

理由

✅家族信託

生前から契約でき、認知症になっても財産が凍結されない

遺言

×

認知症の前提では使えない(死後に効力)

成年後見制度

認知症になった後でないと使えず、手続きも煩雑

事前に準備するなら「家族信託」が最適!




事例②:子ども同士でもめないように財産を残したい


Bさん(70歳)はこう考えています:

「遺産を兄弟平等に分けてほしい。でも家だけは長男に相続させたい」

制度

対応できるか

理由

家族信託

承継先は指定できるが、死後の分配は遺言の方が明確

✅遺言

誰にどの財産を渡すか、明確に指示できる

成年後見制度

×

相続分配の指定はできない

分け方の希望を残すなら「遺言」がベスト!




事例③:高齢の親がすでに認知症になってしまった


Cさん(40代)はこう考えています:

「母が認知症で、口座からお金を下ろせず困っている…」

制度

対応できるか

理由

家族信託

×

認知症になってからは契約できない

遺言

×

財産管理には使えない

✅成年後見制度

家庭裁判所の申し立てで、親の代わりに財産を管理できる

すでに認知症なら「成年後見制度」が必要!




6. それぞれの制度の使い分けガイド


📌 家族信託が向いている人

  • 認知症になる前に準備したい

  • 信頼できる家族がいる

  • 不動産や預金を管理してほしい

  • 柔軟に財産を残したい(「妻→子ども」など複数段階で)




📌 遺言が向いている人

  • 誰に何を相続させるか決めておきたい

  • 相続トラブルを防ぎたい

  • 自分の気持ちをしっかり伝えたい




📌 成年後見制度が向いている人

  • すでに認知症などで判断ができない

  • 公的な監督のもとで財産を管理したい

  • 遺言や家族信託を使うタイミングを逃してしまった



7. 家族信託×遺言×後見制度は組み合わせもOK!


実は、これらの制度は「どれか一つ」だけでなく、目的に応じて組み合わせるのがベストです。





例:こんな組み合わせが有効

  • 家族信託+遺言
     → 生前は信託で財産管理、死後の財産分けは遺言で明確に

  • 任意後見+家族信託
     → 判断能力が低下した後のサポートを後見で補完




📝信頼できる専門家に相談するのが安心!

  • 弁護士・司法書士・行政書士・税理士などが制度設計をサポート

  • とくに不動産を含む信託契約は登記が必要なので、専門知識が欠かせません



8. まとめ:制度の違いを知って、あなたに合った選択を!


比較項目

家族信託

遺言

成年後見制度

財産の管理

×

財産の承継

◎(生前決定)

◎(死後効力)

×

認知症対策

×

◎(発症後対応)

自由度

△(裁判所の監督あり)

家族の将来を守るには、「まだ元気なうちに」「自分の意思で」準備することが大切です。

そのためには、自分の状況や希望に合った制度を選び、“備えあれば憂いなし”の状態をつくることがポイントです。





次回予告

👉【第3回】認知症になる前に!家族信託が必要な5つのケースとそのリスク

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