【第4回】実家の相続トラブルを防ぐ!不動産に活用できる家族信託の仕組み

query_builder 2025/07/11

※この記事は【家族信託シリーズ 全10回】の第4回です。
今回は、相続トラブルの原因になりやすい「実家の不動産」について、家族信託を活用して円満に引き継ぐ方法を、わかりやすく解説します

【家族信託シリーズ 全10回】タイトル一覧

  1.【第1回】家族信託とは?相続や認知症対策に有効な理由をわかりやすく解説!

  2.【第2回】家族信託と遺言・成年後見制度の違いとは?どれを選ぶべきかを徹底比較

  3.【第3回】認知症になる前に!家族信託が必要な5つのケースとそのリスク

  4.【第4回】実家の相続トラブルを防ぐ!不動産に活用できる家族信託の仕組み

  5.【第5回】失敗しない家族信託契約!知っておきたい作成の流れと費用

  6.【第6回】家族信託の税金はどうなる?相続税・贈与税・固定資産税の基本知識

  7.【第7回】家族信託と相続トラブル防止:もめないための実例とポイント解説

  8.【第8回】親の介護とお金の管理に強い味方!生活資金を守る家族信託活用法

  9.【第9回】家族信託の落とし穴とは?失敗例から学ぶ注意点と対策

  10.【第10回】家族信託×遺言×後見制度の組み合わせ活用術!将来不安ゼロの備え方



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はじめに:なぜ「実家」がもめごとの火種になるのか?

「兄弟で実家の相続でもめた」
「親が元気なうちに話し合っておけばよかった」
そんな声は少なくありません。

とくに「親が住んでいた家」や「空き家になった実家」は、感情も価値も不動産の取り扱いも複雑で、相続の現場ではトラブルの原因になりがちです。

その解決策として注目されているのが、家族信託を活用した不動産の管理・承継です。



実家の相続でもめる典型的なパターン

●ケース1:長男が親と同居していたが、他の兄弟から不満が出る

→「家を相続するのは不公平だ」「もっと現金でくれ」といった感情的な対立

●ケース2:親が認知症になり、実家を売るにも貸すにも手続きができない

→権利関係が動かせず、固定資産税だけがかかる“負動産”に

●ケース3:兄弟全員で共有名義にしたが、管理・売却の合意が取れずストップ

→売りたくても誰か1人が反対すると動かせない

こうした事態を防ぐために、家族信託を使うことで、**「管理と承継のルールを事前に決めておく」**ことが可能になります。



家族信託でできること(不動産編)

✅1)実家の名義を信頼できる家族に移して管理できる

信託契約を結ぶことで、実家の所有権を受託者(たとえば子ども)に名義変更し、実際の管理・売却・賃貸などの手続きもスムーズに行えます。



✅2)親が認知症になっても不動産を“凍結”させない

通常、不動産の名義人が認知症になると、売却や賃貸などの意思表示ができず、法的に動かせなくなります
しかし、家族信託をしておけば、親が認知症になっても受託者が不動産を適切に運用可能です。



✅3)「売る・貸す・保有する」判断を家族であらかじめ決められる

「いつ、誰が、どのように実家を扱うか」について、信託契約でルールを明確にしておくことができるため、後々の兄弟トラブルも防げます。



✅4)遺言より柔軟な「段階的な承継」もできる

たとえば、「母が亡くなった後、実家は長男へ。さらに長男が亡くなったら孫へ」というような、2世代先までの財産承継ルールも作成可能です。



実例:家族信託で実家を守ったケース

●事例:80歳の父と同居する長男の決断

●事例:80歳の父と同居する長男の決断

父は持ち家に1人暮らし。長男は近隣に住み、定期的に訪問して世話をしていた。
父が軽度の認知症と診断されたことで、長男は将来の空き家化や相続の問題を心配するように。



▶解決方法:

父を委託者、長男を受託者として家族信託契約を締結し、実家の管理・将来的な売却権限を長男が持つようにした

結果として、

  • 父の生活費に必要な資金を不動産から捻出できた

  • 他の兄弟から「長男が不当に家を取った」と言われることもなかった

  • 信託契約の内容が明確なため、相続時も揉めなかった


家族信託を使った不動産管理の仕組みとは?

家族信託は法律に基づいた「契約」で成り立っており、実家のような不動産でも以下のようなステップで活用することができます。



✅1. 信託契約を結ぶ(親と子で)

契約書の中には、たとえばこんな内容を決めます:

  • 信託する不動産(例:実家の住所・土地建物)

  • 受託者(例:長男)ができること(管理・売却・修繕など)

  • 収益の使い道(例:親の生活費に充てる)

  • 最終的に誰に相続させるか(例:長男の子どもなど)


✅2. 不動産の「名義」を受託者へ変更する

家族信託では、「名義変更」を行います。
ただしこれは「贈与」ではなく、信託目的での所有名義の移動です。固定資産税の扱いや税金面も従来通りのことが多く、誤解されがちな「贈与税の発生」なども原則ありません(※ケースによっては注意が必要です)。



✅3. 実際の管理・売却・修繕などを受託者が実行

契約に基づいて、子どもが親の代わりに不動産の管理を行います。たとえば…

  • 空き家になった実家を賃貸に出す

  • 老朽化した建物を修繕する

  • 不要になった時点で売却する

これらがスムーズに行えることで、家の価値を維持しながら、親の生活を支えることができます。



よくある疑問・注意点

❓Q. 家の名義が変わったら、もう親のものじゃなくなる?

→実際には、**名義が変わっても「実質的には親の財産」**です。
契約書で「誰のために、どう管理・処分するか」が明記されているため、勝手に売られたり、第三者に渡ることはありません。



❓Q. 他の兄弟から文句が出ない?

→信託契約は、透明性が高く、第三者にも証明しやすい仕組みです。
また、契約書に「最終的には兄弟全員に公平に分配する」と書いておくことも可能なので、相続時のトラブルも回避できます。



❗注意点①:親の「判断能力」が必要

認知症と診断された後では、契約そのものが無効になるリスクがあります。
早めに家族で話し合い、「元気なうち」に手続きを進めることが最重要です。



❗注意点②:専門家の力を借りるべき

契約内容や登記には法律の知識と不動産の知識が必要になります。
司法書士・弁護士・行政書士などの専門家に依頼し、失敗しない設計をしましょう。



家族信託で実家を守る、3つのメリット

メリット

内容

① 財産の凍結を防げる

認知症になっても売却・管理が可能

② 相続トラブルを予防できる

明確な契約により、兄弟間の誤解を防ぐ

③ 空き家・老朽化対策ができる

売却・修繕・賃貸などに柔軟に対応可能


簡単チェック:あなたの家はどう?

以下のチェックに1つでも当てはまったら、家族信託の検討をおすすめします。

  • □ 親が高齢で、実家に1人で住んでいる

  • □ 親名義の家の今後が決まっていない

  • □ 相続人が複数いて、関係があまりよくない

  • □ 空き家になった家をどうするか話していない

  • □ 親が軽い認知症の兆しを見せている

  • □ 「贈与」や「遺言」だけでは不安を感じている


まとめ:実家の未来は、家族で守る仕組みを

「親が亡くなったあと、実家をどうするか」

この問題は、多くの家庭で「話し合う機会がないまま」訪れます。

家族信託を活用すれば、親が元気なうちに、財産と気持ちをしっかり家族に託すことができるのです。

大切な実家を「もめ事のタネ」にしないために、早めの準備をおすすめします。



次回予告

👉【第5回】失敗しない家族信託契約!知っておきたい作成の流れと費用

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