第8回】相続でよくある失敗と対策10選 ~トラブルを防ぎ、大切な財産を守るために~

query_builder 2025/07/08
ブログ画像

※本記事は全10回構成の【相続の基本シリーズ】の第8回です。
「もしも」に備えるために、家族の未来を守る情報をわかりやすく解説していきます。



📚 本シリーズの構成(全10回)

1.相続ってそもそも何?誰が何をもらえるの?

2.「争族」になる前に!遺産分割の基本とトラブル回避法

3.相続人がいない?わからない?戸籍の調べ方と“相続人不存在”の対処法

4.遺産分割協議書の書き方と注意点

5.相続放棄・限定承認の判断と具体手続き

6.相続税ってどうやって決まるの?しくみと節税の基本をやさしく解説

7.生前贈与と相続の違いとは?賢く使い分けて節税につなげよう

8.相続でよくある失敗と対策10選(←今回)

9.公正証書遺言のすすめと具体的事例

10.遺言・家族信託と後見制度の違いと併用メリット


第1章:はじめに ~なぜ相続でトラブルが起きるのか~

「相続」という言葉を聞くと、「お金が入ってくる」「資産を受け継ぐ」と前向きな印象を持つ方も多いでしょう。でも、実際には「相続がきっかけで家族の仲が悪くなった」「親戚と裁判沙汰になった」など、深刻なトラブルが発生するケースが少なくありません

国税庁によると、相続税がかかる家庭は全体の約9%ですが、「相続トラブルが起きたことのある家庭」は**全体の30〜40%**にものぼるという調査もあります。

相続トラブルは、大きな財産がある家だけの話ではありません。普通の家庭で起きているのです。

なぜそんなことが起きるのでしょうか?
その多くは、「準備不足」や「思い込み」、「知らなかった」ことが原因です。



第2章:失敗①「遺言書がなかった」→ 家族がバラバラに

◆ 事例:

3人兄弟の母親が亡くなり、1,200万円の預金と自宅(評価額1,500万円)を残していた。遺言書はなかったため、3人で話し合って分けることに。

しかし、長男は「自宅に住んでいたから全部欲しい」と主張し、次男と三男は「不公平だ」と反発。話し合いは平行線のまま家庭裁判所へ…。

◆ 原因と対策:

遺言書がなければ、遺産分割協議が必要です。しかし、家族間で意見が食い違えば簡単にはまとまりません。

【対策】
⇒ 自分の意思を「遺言書」でしっかり残すことが最大の防止策です。
⇒ 特に不動産や同居家族がいる場合は要注意!



第3章:失敗②「遺言書が無効だった」→ 相続がやり直しに

◆ 事例:

父が書いた自筆の遺言書があったが、日付の記載がなく、法的に無効とされた。結局、遺産分割協議をやり直すことになり、兄弟間で揉めた。

◆ 原因と対策:

遺言書には法律で定められた書き方があります。1つでも条件を満たさないと「無効」になってしまいます。

【対策】
⇒ 不安な方は、法的に確実な「公正証書遺言」をおすすめします。
⇒ 専門家(司法書士・弁護士)にチェックしてもらうと安心です。



第4章:失敗③「相続人の調査が不十分」→ 予期せぬ相続人が現れた

◆ 事例:

母の相続で、長女と次女で手続きを進めていたところ、亡くなった母の前夫との間に子供がいたことが発覚。法律上、その子にも相続権があることがわかり、遺産分割が振り出しに…。

◆ 原因と対策:

相続人は、戸籍をすべて確認しなければ特定できません。知らなかった相続人が後から登場すると、相続が長引きます。

【対策】
⇒ 本人の出生から死亡までのすべての戸籍を確認することが必要です。
⇒ 専門家に「相続人調査」を依頼すれば、確実かつスピーディーです。



第5章:失敗④「財産の全体像が不明」→ 分け方でもめる

◆ 事例:

父が亡くなった後、「預金は〇〇銀行に1つだけ」と聞いていたが、実際は3つの口座に分散されており、証券口座やタンス預金、借金も判明。相続人たちは「そんなの知らなかった」と疑心暗鬼に。

◆ 原因と対策:

財産の内容がはっきりしないと、「誰かが隠しているのでは?」と不信感が生まれ、争いにつながります。

【対策】
⇒ 財産目録を生前に作成し、相続人に明示しておくことが重要です。
⇒ 預金・不動産・有価証券・生命保険・借金まで、プラスもマイナスも一覧化しましょう。
⇒ エンディングノートにまとめるのもおすすめ。



第6章:失敗⑤「生前贈与の偏り」→ 兄弟で不平等感

◆ 事例:

生前、母が長男に「住宅資金として500万円」を援助していた。しかし他の兄弟には何もなかったため、遺産分割時に「贈与分も遺産に戻すべきだ」と大揉めに。

◆ 原因と対策:

生前贈与は、内容によって「特別受益」として、相続財産に加算されることがあります。もらった側ともらってない側の不公平感が争いの火種になります。

【対策】
⇒ 生前贈与をした場合は、「これは相続とは別です」と明記した契約書を作成。
⇒ 遺言書で「特別受益の持ち戻しを免除する」と記載しておく方法もあります。



第7章:失敗⑥「認知症になった後に対策しようとした」→ 後見制度が必要に

◆ 事例:

父が認知症になってしまい、不動産の売却や預金の引き出しが必要に。しかし父の意思確認ができず、成年後見人の申し立てが必要になり、手続きに半年以上かかった。

◆ 原因と対策:

判断能力が低下した後では、遺言書の作成や財産の移転ができません。家族でも「勝手に売る・動かす」は法律上できません。

【対策】
⇒ 判断能力があるうちに「任意後見契約」や「家族信託」などの準備をしておく。
⇒ 不動産売却も視野に入れるなら、後見制度の仕組みを理解して早めに対応を。



第8章:失敗⑦「不動産の共有相続」→ 売却や利用が困難に

◆ 事例:

実家の土地と建物を、兄弟3人で「3分の1ずつ相続」。しかし、1人が遠方に住んでおり、売却やリフォームの話が進まない。結果的に誰も住まず、固定資産税と管理費だけがかさむ空き家に。

◆ 原因と対策:

不動産の共有は「全員の同意」がないと売却も賃貸もできません。しかも長期にわたって合意形成が難しいため、相続トラブルの典型です。

【対策】
⇒ 不動産はできるだけ**単独所有にするか、換価分割(売却してお金で分ける)**を検討。
⇒ 「遺言書」や「遺産分割協議」で明確に意思を示しましょう。



第9章:失敗⑧「相続税対策をしていなかった」→ 思わぬ高額納税に

◆ 事例:

祖母が亡くなり、現金と不動産をあわせて評価額が1億円超。家族は「そんなに税金はかからないはず」と思っていたが、相続税が800万円近く発生。納税資金が足りず、不動産を急いで売却せざるを得なくなった。

◆ 原因と対策:

相続税の基礎控除(2025年時点)は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば相続人が3人なら、4,800万円までは非課税ですが、都内の不動産や預貯金を含めるとすぐ超える家庭も珍しくありません

【対策】
⇒ 「うちは関係ない」と思わず、生前から試算して対策すること。
⇒ **生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)**を活用するのも手です。
⇒ 贈与や不動産の整理なども検討し、税理士と事前に相談を!



第10章:失敗⑨「家族間で話し合いがなかった」→ 感情的対立

◆ 事例:

父の葬儀後、兄弟で何も話し合わず、数ヶ月経過。長男が勝手に財産を動かしていたことがわかり、次男・三男が激怒。以後、完全に絶縁状態に

◆ 原因と対策:

財産そのものよりも、感情のもつれが相続の大きなトラブル要因になります。
「相談されなかった」「信頼されていない」と感じることで、わだかまりが生まれます。

【対策】
⇒ 相続の前後は、意識的に家族で話し合いを持つことが大事
⇒ 財産の内容、分け方の希望、生前贈与の有無など、早めに共有しておきましょう。



第11章:失敗⑩「専門家に相談しなかった」→ 法的・税務的な誤解が発生

◆ 事例:

親の不動産を子どもが勝手に売却しようとしたところ、「相続登記が済んでいないので売れません」と不動産会社に言われてびっくり。さらに、相続税申告の期限(10ヶ月以内)も過ぎており、加算税と延滞税の対象に

◆ 原因と対策:

相続には法律・税務・登記など多くの専門分野が関わります。独自の判断で進めると、大きな損失や無駄な手間を生むことに。

【対策】
⇒ 相続が発生したら、早めに司法書士・税理士・行政書士に相談しましょう。
⇒ 費用が気になる場合でも、初回相談は無料の専門家も多いので、まずは相談から!



第12章:まとめ ~円満相続のために、今できること~

相続の失敗には、いくつかの典型パターンがあります。
そして、それらの多くは「事前に準備をしていなかった」ことで起こっています。

◆ 今日からできるチェックリスト

  • □ 遺言書の準備をしていますか?

  • □ 財産の一覧を把握していますか?

  • □ 相続人は全員把握できていますか?

  • □ 生前贈与に偏りはありませんか?

  • □ 不動産の共有を避ける対策を考えていますか?

  • □ 相続税の試算をしたことがありますか?

  • □ 家族と話し合う時間を持っていますか?

  • □ 専門家に相談したことがありますか?


◆ 相続の準備は、家族の「思いやり」

相続は、「お金」や「財産」を残すだけのものではありません。
家族に感謝の気持ちを伝え、次の世代をサポートするための準備でもあります。

この記事をきっかけに、「うちは大丈夫だろう」で済ませず、具体的な対策を少しずつ始めてみましょう。
将来、あなたの家族が揉めることなく、穏やかに大切な思いを引き継げるように。



▶ 相続や不動産に関する無料相談はこちら
ハウスドゥ蒲生駅前(株式会社アイホームコンサルティング)



次回【第9回】は「公正証書遺言のすすめと具体的事例」について、具体的なケースをもとに解説します。
お楽しみに!


----------------------------------------------------------------------

ハウスドゥ蒲生駅前

住所:埼玉県越谷市蒲生茜町19-1井上ビル1F

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG